腸に寄生虫が感染すると主に下痢を呈します。子猫で特に注意すべき寄生虫についてご紹介したいと思います。
- 猫回虫小腸に寄生し、下痢・便秘・嘔吐・腹部痛などの症状を起こします。
- 嘔吐物や便の中にそうめん状の虫体が排出されることもありますので、便に白く細長い物が混じっていいたら、便と共に病院までお持ち下さい。
- この虫は虫卵を口から摂取したり、母猫からの乳汁感染によって移ります。
- 瓜実条虫(犬条虫)糞便中に米粒のような虫体の一部が認められることがありますので、便に白いものが混じっていたら、そのまま病院までお持ち下さい。
- この虫はノミを口から摂取することでうつります。小腸に寄生し、症状はほとんどみられませんが下痢や食欲不振を引き起こすことがあります。
- 猫鉤虫小腸に寄生する小型の線状の虫で大量に感染すると貧血・削痩・下痢・血便などの症状を起こします。
- 便検査で虫卵を確認することで診断できるので、便検査を受けましょう。
- この虫は経口感染、経皮感染、乳汁感染でうつります。
- コクシジウム
- この虫はオーシストという卵のようなものを口にすることでうつります。小腸に寄生し、下痢・血便・食欲不振・脱水・削痩・貧血を引き起こすことがあります。便検査で診断できるので、便検査を受けましょう。
- ジアルジア糞便中の虫体を確認することで診断できるので、便検査を受けましょう。
- この虫は糞便中の虫体を口にすることでうつります。小腸および胆嚢に寄生し、下痢・食欲不振・体重減少を引き起こします。胆管や胆嚢に寄生した場合は胆管炎、胆嚢炎、発熱も引き起こします。
以上、子猫の内部寄生虫について述べましたが、これらの寄生虫は混合感染している場合もあります。
1回の便検査で全てが診断できるとは限らないので複数回の便検査、及び定期駆除を実施することが重要です!!
< 便と一緒に排出された瓜実条虫 (体調10mm強の白色虫)>