7月24日、厚生労働省はノラ猫に咬まれた50代の女性がマダニが媒介する感染症である『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)』を発症し、死亡していたと発表しました。
この病気(以下SFTS)は今までマダニに噛まれることで感染すると考えられていましたが、猫からヒトへの感染を疑う事例は世界初。
女性がマダニに咬まれた形跡はなく、猫から感染した可能性が高いという見解ですが、実際には女性を咬んだ猫がSFTSウイルスに感染していたかどうか、定かではありません。
マダニは主に森林や草むらなどの屋外に生息しています。当院周辺の公園や草地にも生息しています。
犬の散歩中に犬の身体に寄生し、家の中に持ち込むこともあれば、ヒトが外出先で身体に付けて帰宅してしまうことも十分にありえます。
マダニは春から秋にかけて活動が活発となるため、この時期の感染が特に多いです。
ただし、すべてのマダニやノラ猫がSFTSウイルスを保有しているわけではなく、保有率など詳細についてはまだわかっていません。
ヒトがSFTSにかかると次のような症状が認められます。
・発熱
・消化器症状(嘔吐、腹痛、下痢)
・頭痛
・筋肉痛
・神経症状(意識障害、ケイレン)
・出血症状(皮下出血、下血、歯肉出血)
日本では西日本での発生が主に認められており、高齢者ほど死亡率が高くなっています。
現在のところ、SFTSウイルスに対して有効なワクチンはなく、マダニに咬まれないようにすることが予防の第一歩です。
『公園や山へ行く時には露出の少ない服装をする』
『屋外へ犬や猫などのペットを連れだす場合はマダニ予防を確実に行う』
といった対策をお勧めします。
マダニ予防について詳しくは動物病院までお問い合わせください。