ブラッシングに挑戦
歯みがきシートや指サックを嫌がらずにさせてくれるようになったら、次はいよいよブラッシングに挑戦していきましょう!
もしもまだ歯みがきシートなどを嫌がるそぶりがあるのであれば、歯ブラシに切り替えるのは時期尚早です。
十分受け入れてくれる状態になってから、ブラッシングへと進んでいきましょう。
一口に「歯ブラシ」といっても、その種類は様々あります。
人用と似た形状をしているものや、持ち手が短いもの、ヘッドが360度付いているものなど、ペットショップでもバリエーション豊かに陳列されているかと思います。
下の写真にある歯ブラシは、当院で取り扱っているものです。
基本的には、飼い主様が磨きやすいものを選んでいただくのが一番かと思います。
猫ちゃんの小さなお口ですと、持ち手の短いタイプの歯ブラシでも十分奥まで届きますし、小回りも利いて磨きやすいかもしれません。
ヘッドが360度ついているものに関しては、歯を磨く際に頬っぺたも一緒に擦ってしまい猫ちゃんに痛い思いをさせてしまう可能性があるので、気を付けて使うようにしてください。
歯ブラシ選びが終わったら、まずは、歯ブラシそのものに慣れてもらうよう練習します。
ここでも、いきなりブラッシングするのではなく、まずは歯にタッチすることから始めていきましょう。
歯ブラシが乾いたままだと痛みを与えてしまうかもしれないので、タッチする前にはヘッドの部分をぬるま湯などにつけて、湿らせた状態で使ってあげてください。
これまでのステップと同じように、少しでもタッチさせてくれたらご褒美を必ずあげて、歯ブラシが嫌なものではないと覚えてもらいましょう!
「焦らず・ゆっくり」を忘れずに、猫ちゃんのペースに合わせて進んでいきましょうね。
慣れてきたら、磨く動作を加えていきましょう。
歯と並行になるよう歯ブラシをあてて、小刻みに磨いていきます。
このとき、あまり力が入りすぎないよう注意が必要です。
ご自身の歯を磨くときの半分ほどの力で十分歯垢は取れますので、「優しい力で」を忘れないようにしてあげてくださいね。
ブラッシングは歯そのものを磨くだけでは十分とは言えず、より意識して磨いていただきたいのは、“歯周ポケット”と呼ばれる歯と歯肉との間にある溝です。
この溝の中に歯周病菌が多く潜んでいるので、ここをキレイにしてあげることが大切です。
歯周ポケットを磨くときは、毛先がきちんと届くように歯ブラシをナナメ45度の角度で当てる必要があります。
あまり長時間のブラッシングは猫ちゃんにとってストレスになってしまうので、一回のケアは数十秒~数分間の短時間で終わらせてあげましょう。
・片方の歯を磨いて少し休憩を挟み、もう片方にチャレンジする
・歯の大部分は歯みがきシートで拭き取って、歯周ポケットは歯ブラシで磨く
…など、デンタルケアの仕方は様々あります。
猫ちゃんが嫌がらずにさせてくれて、かつ、飼い主様のやりやすい方法を探してみましょう!
効果に差はあれども、歯みがきシートで磨くのも、歯ブラシでブラッシングするのも、どちらも立派なデンタルケアです。
歯ブラシを嫌がるから何もしない…のではなく、そのコができる範囲のことを毎日継続して行ってあげることが、キレイな歯を保っていくためには欠かせません。
今回はこうして文章や写真でのお伝えなので、わかりにくい部分もあるかと思います。